2016年3月3日

「SEIL MD Go!」を利用した「PI値分析」の実践 商品分析システム SEILプロダクト/SEIL推進部

みなさん こんにちは、SEIL推進部の野山です。
前回のシーズン1/第3回はPOS分析手法のひとつである「PI値分析」に的を絞り、「PI値」という数値が一体何を示す数値なのかをお話させていただきました。
シーズン1の最終回である今回のシーズン1/第4回では「PI値分析」をSEIL推進部がご提供する「SEIL MD Go!」を実際に使用して実践的なお話したいと思います。

まずは前回のブログで解説させていただいた「MD方程式」のまとめから

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前回も解説させていただきましたが、上図で表すように極論するとスーパーマーケットの現場(商品部や店舗)で直接コントロールできる指標は「数量PI値をUPさせる施策」または「平均売単価をUPさせる施策」の2つの方法しかないということになります。

チラシやプロモーションなどは一時的な客数UPに繋がりますが恒久的なものではなく、客数UPの本質は店舗が置かれた立地や店舗改装、駐車台数増加などの環境の変化等によるマーケティングに依存していることになります。
このことからPOS分析手法である「PI値分析」は 数量PI値×平均売単価=客単価 をUPさせる事を目的とした手法なのです。

☆ 「PI値分析」で利用する基本フォーマット(基本帳表・テンプレート)
「PI値分析」で利用するテンプレートは幾つでも考えられますが、その中でも一番の基本となるテンプレートが以下に示す「基本フォーマット」なのです。

1.MD評価表
2.PI値 羅針盤(ポートフォリオ)

      • 数量PI値/平均客数 羅針
      • 数量PI値/平均単価 羅針盤

3.アイテム/SKU PI値 店舗比較表
4.PI
 カレンダー
5.曜日別平均客数一覧表

この「基本フォーマット」の中からまずは前回少しだけ触れさせていただいたポートフォリオについて解説させていただきます。

 

1.PI値 羅針盤(y:平均客数 ポートフォリオ)

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この羅針盤(ポートフォリオ)はx軸に数量PI値、y軸に平均客数を置き、店舗をプロットして行きます。
それぞれの平均値で中心点を置くと、4つのゾーンに店舗が分割されそれぞれがプロットされた位置でその店舗の今の立ち位置や今後の戦略方向が見えてきます。

<4つのゾーン>

1.全商品導入店舗(品種分割商品強化店舗)
◆「数量PI値」「客数」とも平均値を上回る好調な店舗と言えます。
◆このゾーンにプロットされた店舗(特に右上)には品種分割(売れ筋商品の容量分割、等)を実施し、積極的に品揃えの強化を図ることが出来る店舗となります。

2.現状維持店舗(商品入替強化店舗)
◆「数量PI値」は高いが「客数」が平均を下回る店舗となります。
◆このゾーンにプロットされる店舗(特に右下)は競合店も出店しづらい山間部など閉鎖した地域に立地した店舗が多くみられ、その地域をほぼ独占する状態の店舗と言えます。 このような店舗は現状を正しく維持するために、新商品の入替えや売れ筋商品の欠品防止策などを積極的に実施しなければならない店舗となります。

3.最重要戦略店舗(能力開発店舗)
◆「数量PI値」は平均に満たないが「客数」は平均を大きく上回る店舗で、「売上金額」を見れば企業内の一番店などがプロットされるなど、今後の企業経営に最重要な店舗と言えます。
◆このゾーンには「売上金額」は予算を軽くクリアし好調を続ける店舗がプロットされますが、裏を返すと「客数が多い」=「競合店が出店する可能性が大きい」立地にある店舗といえます。もしも競合店が出店した場合は「客数」が2~3割ほど減少してしまい、グラフでは真下に転落してしまう可能性がある店舗とも言えます、最重要戦略店舗として顧客満足度の指標である「数量PI値」のアップを狙う戦略を実行しなければならない店舗です。

4.主力商品強化店舗(とにかく主力商品)
◆「数量PI値」「客数」とも平均値を下回る不調な店舗と言えます。特に左下にプロットされた店舗はスクラップの対象店舗となる可能性を多いに秘めています。
◆このゾーンにプロットされた店舗の施策は「基本に立ち返り、価格・鮮度の確認、そし主力商品の欠品等が絶対にない売場作り」を徹底的に実施しお客様の信頼を回復しなければならない店舗と言えます。

 

それでは、「SEIL MD Go!」から出力される実際の画面を見てみましょう。
ポートフォリオはバブルで表され、バブルの大きさは「売上金額」を表現しています。
店舗にカーソルを合わせると店舗情報を表示することが出来ます。

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それぞれ、上記の4ゾーンに当てはまるポイントとなる店舗を赤枠でくくってみました。
このポートフォリオから、各店舗のこれからの方向性を考え、ベクトルの方向で戦略、戦術を決定してゆくのです。
店舗の方向性が決まったら、「MD評価表」で店舗の実態を数値で確認しましょう。

 

2.MD評価表(部門別)

「MD評価表」では「金額PI値」(客単価)が比較期間(前年、前月、前週など)と比較し、下がり具合が大きな「部門」→「大分類」→「中分類」→「小分類」→「SKU」とドリルダウン

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最終的に対策を打ち出す商品(SKU)を選定し、戦術(価格、場所、演出)を練り、売場で実践して行きます。
その結果を1週間後に「MD評価表」を再確認することで、実施した施策が戦略的に正しい方向に向かっているかを確認することが出来ます。
正しい方向に向かって進んでいるのならば施策を継続、違っていたのならば戦術を練り直し、再度売場で実践してゆくのです。
この「PDCA」の継続が売場を活性化し、生きた売場を作って行くのです。

 

3.MD評価方法

数量PI値×平均売単価=客単価 の方程式からも分るように「客単価」をUPさせるためには「数量PI値」と「平均売単価」のどちらかをUPさせるか、または両方をUPさせ、客単価をUPさせることしかありません。
しかし、実際の売場では「お客様」というファクターが鍵を握っているために実際に売場展開した戦術が必ずしも成功するわけではありません。
つまり、実施した戦術によっては「客単価が下がる」ということがあるのです、「PDCA」を実施するに当って客単価をベースとした6段階のMD評価方法を取ることにより、これらを簡単に判断することが出来ます。
それが、以下の表となります。

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このように、アップまたはダウンした要因に従って「◯」と「☓」で6段階に表現することにより、簡単にその要因(原因)の内容を知ることが出来、次の戦術を練る手立てとなるのです。
この6段階の評価方法は先に示した「SEIL MD Go!」から出力される「MD評価表」の「MD評価」という項目にも表現されています。

4.基本的な問題探求(原因発見)の順序

POS分析を進めると、数値から現場が見えて来るものですが、究極的には真の原因は現場でなくては分かりません。
また、現場に出向いて確認する程、関連する発見があり、解決策の完成度をより高める事が出来ます。
お客様の購買行動に差が生まれる原因は、下記の順であると言われていますが、現場での問題探求(売上が上がらない原因発見)はこの逆順に行って行きます。

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問題を解決する上で、この確認の方法が出戻りが少なく、ほぼ現場での改善が容易な順となる為、効率的に問題解消を行って行く事が可能です。
また、忘れてはならない事は、「店舗は本部の思っている通りに動いているとは限らない」という事です。
実際、ある店舗のある部門が他店に較べて非常に好調な原因を調べてみたら、「その店の部門長だけが本部指示に忠実に従っていた」というケースも決して珍しいことではありません。

 

5.カテゴリーマネジメントによるMD実践と客単価アップ

これまでもお話している通り、「POS分析」は単品(SKU)管理ではなくカテゴリー管理です。
売場での価格反映は単品(SKU)で実施されますが、「PI値分析」による「PDCA」のサイクルチェックは単品(SKU)の売上UPではなく、最終的にはその商品が属するカテゴリー全体の売上UPなのです。
最終的には店舗の売上UP、企業全体の売上UPということになるのです。

(1)PI値(数量PI値、金額PI値)を利用したMDの実践
  SKU単価の見直し          →    数量PI値アップ
  商品の鮮度アップ          →    数量PI値アップ
  販売方法の見直し              数量・金額PI値アップ
  陳列場所、演出方法の見直し     数量・金額PI値アップ
  主力商品の欠品防止            数量・金額PI値アップ
  カテゴリー商品構成の見直し     金額PI値アップ

(2)店舗比較分析による店舗間格差の是正(売上のアップ)

(3)カテゴリーにおける金額PI値(客単価)のアップ

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6.「金額PI値」アップから「売上金額」のアップへ

これまでお話した「PI値分析」を継続的に実践することにより「金額PI 値」(客単価)のUPを図ることが出来ます。
この「金額PI値」1円UPが企業にどの位の影響を及ぼすか見てみましょう。

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このように、「金額PI値」の1円UP、10円UPがもたらす効果は非常に大きなものとなるのです。
「継続は力なり」という言葉通り、地道な「PDCA」行動がもたらす効果は絶大ということがハッキリしました。
「たかがPOS分析」ですが「されどPOS分析」なのです。
みなさまの「POS分析システム」「POSデータの利用方法」をもう一度、洗いなおして見てはいかがでしょうか。

☆終わりに

今回でSEIL推進部からのシーズン1ブログ「商品分析システム」とは何か? その分析手法のひとつである「PI値分析」の実践的手法のご紹介は終了させていただきます。
次回のシーズン2からは別の観点からの小売業での「POS分析の取組み」を発信する予定です、ご期待ください。
SEIL推進部は「POS分析」や「ID-POS分析」といった小売業様に関する「分析システム」に携わる専門スタッフの集団です、何かお困りのことやご質問があれば、お気軽にお問い合わせ頂ければ幸いです。
SEIL推進部が発信するシーズン1~シーズン3のブログ、今後の展開にご期待ください。