2015年12月3日

「PI値分析」とは? SEILプロダクト/SEIL推進部

みなさんこんにちは、SEIL推進部の野山です。
いまだ20℃超えの日がある静岡ですが、富士山も冠雪し冬の足音が聞こえて来ました、みなさんの地域ではいかがですか?
前回のシーズン1/第2回は「POS分析」って何?ということで食品スーパーマーケットにおけるPOS分析のさわりをお話させていただきました。
今回のシーズン1/第3回ではPOS分析手法のひとつである「PI値分析」に的を絞ってお話したいと思います。

☆ PI値とは?
さて、みなさん「PI値」って、一体何でしょう?
「PI値」の「PI」はPurchase(購買・買上)Index(指数・指標)を略したものです、直訳すれば「購買指数」ということになり、商品(SKU)にまで細分化すれば、商品支持率つまり商品の人気度を表す数値として表現することが出来るのです。
「PI値」の基本は「数量PI値」と言われる数値で
    数量PI値 = 買上点数 ÷ 客数(レシート枚数)(× 100 or 1,000)
     (来店されたお客様の何%の人に支持されているかを表している指標)

この「数量PI値」という数値は、部門・店舗・商品のどの角度から分析しても、店舗の大小等に関係なく同レベルの分析できる指標として用いることが出来るものです。
また、時間軸に関しても日・週・月・年など、どの時間軸を取っても部門・店舗・商品の単位で比較が出来る優れものなのです。
「数量PI値」の計算式の中で最後に「× 100」または「× 1,000」をしていますがこれは「100人当たり」の数値を算出するか「1,000人当たり」の数値を算出するかの違いです。
「日経MJ」などに表現されている「PI値」は「1,000人当たり」の数値ですが、小生の経験上から得たスーパーマーケットにおける「PI値」の利用には「100人当たり」の数値のほうが利用しやすいと考えています。
スーパーマーケットでは「PI値」を利用しながら、売上数量を予測しながら「発注数量」を決定する場面が多く見受けられます。
この場合、「予想客数」を基に売上数量を予測しますので「予想客数」の算出数が決め手となります。
店長が「予想客数」を算出するとして、「予想客数」の単位は1,000人単位ということはなく、どこのスーパーマーケットでも「100人単位」で「予想客数」を算出しています。
つまり、一日の平均客数が2,000人のスーパーマーケット場合、「月曜・火曜は1,800人、木曜は特売の立ち上がりだから、2,200人」などと立ててゆきますね。
「1,000人単位」での指標はメーカーサイドに立ったもので小売業サイドに立った指標は「100人単位」の物のほうが利用し易いと思われます、また私達(日本人)はパーセント(%)という数値指標には日頃から良く接していますので「100人当たり」での「数量PI値」の場合はパーセント(%)という表現を用いて表します、つまり「数量PI値=1%」の商品とは「お客様が100人来店すると1個売れる商品」と成るわけです、「2,000人の来店が見込まれる場合は、20個売れる可能性がある」となるのです。
「発注数量」を確定する場合にはこの20個に在庫とアローアンスを加味し、在庫数量が1.2倍程度となる数量を「発注数量」として決定すると良いでしょう、実際にかなり普及してきた「自動発注システム」などでも「数量PI値」を加味したシステムが多く見受けられるのも事実です。
また、「数量PI値」以外にも、売上(利益)に直接結びつく「金額PI値」(客単価)があります。

     金額PI値 = 売上金額 ÷ 客数
            = 数量PI値(1人当たり) × 平均単価
             (来店されたお客様の1人当たりの売上金額)

これらの「数量PI値」「金額PI値」はSKU(単品)単位で計算ができ、一日の店舗単位で計算した場合には、それぞれの数値のSKUの総和はお客様一人当たりの「ΣSKU数量PI値=平均買上点数」「ΣSKU金額PI値=平均客単価」となります。
また、「PI値」には、その他「荒利PI値」「チラシPI値」「人件費PI値」などを求めることができ、それぞれの「PI値」によりそれぞれの利用方法があります。

さて、ここからは「PI値」と「売上金額」の関係を紐解いて行きます。
世の中のすべての企業体の「売上金額」は以下の方程式(公式)で表されるのが通例です。

     売上金額 = 買上点数(数量) × 平均単価(金額)

これはどの企業も例外ではなく、その企業の取扱商品の買上点数(売上点数)と平均単価がわかれば、売上は算出できるということですね。
自動車産業を例に取れば、乗用車の売上台数とその平均売上単価がわかれば乗用車全体の売上金額を導き出すことが出来る訳です。
しかし、小売業は「商品をお客様に販売する」業種であり、来店していただけるお客様(顧客志向)は絶対に切り離す事が出来ない要因です。したがって、小売業が売上金額を表現するのに用いる方程式には「顧客志向」の概念が組み込まれた次の方程式(公式)で表されることが標準となっています。

     売上金額 = 客数 × 客単価

この方程式の意味するところは売上(利益)のアップは客数をアップさせるか、客単価をアップさせるか、どちらかによって実現するものだという考え方です。 このためにさまざまなノウハウが開発され今日の小売業が発展してきたとも言えます。 しかし、この方程式中の客単価には「金額概念」と「数量概念」が同時に盛り込まれており、分解できるはずの方程式が途中で固定化してしまったために起きる、わかりにくいノウハウが多いことも事実です。
「PI値分析」ではこの「金額概念」と「数量概念」を明確に分け、売上を3次元的に捉え、その中からお客様の声を明確につかみ、「お客様の声」にしたがって販売強化/店舗強化を実践するためのノウハウなのです。
それでは、顧客志向である小売業の売上方程式を「PI値分析」的に分解してゆきましょう。

画像1

この「PI値分析」の概念を取り入れた売上方程式を「MD方程式」と呼びます。

画像2

この方程式は、「売上金額をアップさせる」ということは、買上点数をアップさせるか、平均単価をアップさせるか、客数をアップさせるかの三択問題であることを意味しています。
売上を構成する3本柱のどれをアップさせるかにより販売戦略が決定するといっても過言ではありません、ただしその性質には十分に注意しなければばらないところです。
ここでは、数量、金額、客数の3本柱の性質について考えてゆきましょう。

<売上アップの3本柱 第一優先 「数量PI値」>
・数量PI値は「買上点数÷客数」で表され、まさにお客様の商品(店舗)に対する人気投票そのものを表しています、顧客満足度と言っても良いもしれません。
つまり、この指標を見ているとお客様の声そのものがよくわかるはずである。
・数量PI値は単品でも、単品群(商品郡)でも、部門でも、店舗でも、それぞれの指標化が可能であり、しかも、客数で除してしまうために、店舗の大小も全く関係のない、同じ土俵の上に立つ指標といえます。また、時間に関しても同じ事がいえ、1日/1週間/1ヶ月/1年間と異なる時間軸でも同じ指標が使えるのです。

<売上アップの3本柱 第二優先 「平均単価」>
・「スーパーマーケット」の本質からいえば下げて当たり前!
・お客様のためにも経営努力により維持するか、下げ続けたいものです。
ただし、お客様に納得いただける付加価値商品が入った場合は、平均単価を上げることが出来ます。
最終的にはこの方向を目指すことが、企業経営上は正しいといえます。
・このように平均単価は企業側の声に近い指標であると言うことが出来ます。

<売上アップの3本柱 第三優先 「客数」>
・小売業は立地産業である。(店舗立地で客数は決まっている)
チラシ/イベントは一時的に客数を上げることができても、立地の制約上、必ず限界がやって来ます。
競合店が出店すれば確実に客数は減ってくるでしょう。
改装/増床/駐車場の拡大等、環境の変化を起した時には大きな変化を起すものである。
・客数は営業活動の結果としてアップするものととらえるべきである。

 

まとめると
・「数量PI値(数量)」「平均単価(金額)」「客数」
・売上は上記の3要素でなりたっています
しかし、「数量PI値」以外は売上を決定づける大きな要素でありながら、基本的には店舗での努力により改善できるものではないとも言うことが出来ます。
・「平均単価」は仕入れられた時にその仕入と値入の関係でほとんどの売単価が決まってしまいます。
・「客数」は、店舗の努力によるところもあるが、その本質は店舗のおかれた立地であり、その立地を選定した時に、そのほとんどは決まってしまいます。
・店舗の努力がそのまま数値として現れるものが「数量PI値」です、この指標のアップが顧客満足度アップの第一歩であると言えます。

☆「PI値分析」の利用手法
「PI値」の利用方法には幾つもの手法があります。
その中のひとつとして、「ポートフォリオグラフ(散布図)」を利用した分析手法が有ります。
横軸(x軸)、縦軸(y軸)に何を基礎数値として置くかによって、その分析内容が変わってきます。
下記に示すポートフォリオの2帳表は横軸(x軸)、縦軸(y軸)に対し、店舗をプロットして分析する羅針盤の例です。
この「PIポートフォリオ:羅針盤」のどこに店舗(自店舗)がプロットされたかによって、今後の経営戦略または販売戦略が決定すると言ってもいいほどに現状を写しだしているものと言えます。

画像3

 

画像4

この2つのグラフ、「PIポートフォリオ:羅針盤」を利用した「PI値分析」の方法に関しては次回の「シーズン1/第4回」にて、「SEIL MD Go!」の実際の分析画面を使用しながら解説させていただきたいと思います。

☆終わりに
今回は「PI値分析」の基礎数値である「数量PI値」と「PI値視点からの売上方程式(MD方程式)」を解説させていただきました。
SEIL推進部は「POS分析」や「ID-POS分析」といった小売業様に関する「分析システム」に携わる専門スタッフの集団です、何かお困りのことやご質問があれば、お気軽にお問い合わせ頂ければ幸いです。
SEIL推進部が発信するシーズン1~シーズン3のブログ、今後の展開にご期待ください。